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DX化に不可欠なデータの一気通貫をCAD/CAMでシームレスに実現

DX化に不可欠なデータの一気通貫をCAD/CAMでシームレスに実現

コダマコーポレーション株式会社(横浜市都筑区)

掲載企業コダマコーポレーション株式会社

主要3品目
  • CAD/ CAM

  • CAE

  • 生産管理ソリューション

従業員数

148人

 「まだ0点です」。日本製造業のDX化の進捗について、コダマコーポレーション株式会社代表取締役社長の小玉博幸氏はそう断言する。創業時に掲げたビジョン“CADデータの一気通貫”への到達度は、まだ評価できる段階ではないと言うのだ。この30年で3DCADの導入は広がり、「DX」や「IoT」などを盛り込んだキャッチコピーが各方面から聞こえてくる。だがそれでも、小玉氏が目指す日本の製造業の現状は、小玉氏が目指す理想にはまだ遠い。

 1989年、小玉氏はそれまで勤めていたCADメーカーの営業職を辞し、コダマコーポレーションを起業した。顧客の要望に応えるため、CADだけでなくCAMを取り扱い、設計で作成したデータを製造でも生かしたいと考えたためだ。そんな小玉氏が出会ったのが、当時まだ小規模な企業でありながらデータの一気通貫というコンセプトで作られたフランスTOPCAD社の“TopSolid”であった。TopSolidは製図機能が優れているという点でも、製図を重視する日本の製造業にマッチしていた。1996年、日本で販売を開始。しかし当時まだ無名のCADソフトを日本で販売するのは難しく、さらに販売当時、TopSolidにはCAMが備わっていなかった。小玉氏は顧客から寄せられる改善要望をフィードバックし、ソフト会社もそれに応えたことで、ソフトはどんどんブラッシュアップされていった。また、タイミングと熱意が合致したことで、両者の信頼関係も醸成された。1999年、TOPCADとミスラーソフトウェアが開発した3次元CAD/CAMシステム“TopCam”の販売を日本でも開始。ついに小玉氏が理想とするデータ一気通貫を売り出す体制が整った。

TopSolid Mold7で作成したバンパー金型のCADデータ

 「設計で作成したCADデータをそのまま製品や金型の製造に用いることができれば、手戻りもなく省力化が可能になる。」理屈はシンプルだが、保守的な考えが根強い現場では反発も多かった。そこで小玉氏は自身の理念を証明するため、試作部・加工技術研究所を開設。製造業は未経験でありながら、CAD/CAMのデータを活用した効率的な工場経営を実現させ、今では「コダマに依頼したい」と言う得意先も数多く存在する。また、自社工場を会場としてセミナーも開催し、活用のヒントを提供している。

 「CADはいろいろなものを表現できるツール、設計をするということに業界の差はない」という小玉氏の考えにより、TopSolidは業界を絞らず広く日本のものづくり業界で使用され、ここ数年ではメカニカル業界だけでなく建築関係へも進出している。つくるものの大きさは違えど、設計や製造の根底にあるものに違いはないのだ。設計データを作るだけで、図面や帳票の作成も即座に行うことができ、データの変換は不要で、設計変更時も自動で図面や帳票が連動する。「ぜひ一度弊社に見学においでください」と小玉氏は言う。実際に目にすることで、常識が覆されるはずだ。時代は変わり、工作機械やソフトウェアも常に変化し、アップデートされている。今最も変えなければならないのは、私たちの常識だ。

CAD未経験の社員でも短期習得が可能なのもTopSolidの強みだ

製品情報

  • ヒートシンクハウジング

  • スーパーインバー加工

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