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DX、M&A、新規事業 投資惜しまず売り上げ伸ばす

DX、M&A、新規事業 投資惜しまず売り上げ伸ばす

株式会社関東製作所(東京都江東区)

掲載企業株式会社関東製作所

主要3品目
  • ブロー・射出金型
  • 試作・小ロット・量産でのプラスチック製品の生産
  • 加工機の設計・製作、加工部品の製造
従業員数
231 人
年間売上高
46 億7000 万円

 困っているお客様がいるところに進出する――株式会社関東製作所は中部地方、九州地方、そしてインドネシアと拠点を増やし、売上を右肩上がりさせることに成功した理由は、「フットワークの軽さ」だ。現代では困っている人はネットで検索をかける。だからデジタルマーケティングにも注力する。設備や人材、DX、さらにM&Aといった投資も惜しまず、かつその効果も数字にしっかり表れているという。

 関東製作所はガラス用金型からはじまった会社だ。ガラス製造とプラスチックのブロー成形は製作工程が似ている。そのことから1965年からプラスチックのブロー成形金型へ業務を移行。しかしながらブロー成形の市場は規模が小さく、間もなく射出成形金型の製作にも進出している。

 金型の経営モデルは、一般的に客先需要の影響を直接的に受けることから、アップダウンが激しく、中長期目線での経営が安定しづらいという課題がある。そこで同社では2018年浜松工場を拡張し、射出成形事業も開始。これが同社における大きなターニングポイントになったという。2021年度の同社の売上比率では金型が81%、成形は5%だったが、2023年度については金型が70%、成形が17%と着実に成形の売上を伸ばす予定だ。2023年1月に中村精工株式会社を吸収合併し、射出成形金型と量産成形分野を強化した。同社では将来的には成形分野の受注比率を50%にすることを目指す。

 関東製作所 代表取締役の渡邉章氏は、「量産成形をしていれば、モデルチェンジの際に金型への受注につながりやすくなる。金型の安定化のためにも成形事業をさらに伸ばしていきたい」と語る。

 同社は売上の8割が自動車関係である一方、新規の問い合わせはほとんどが非自動車。さまざまな手段で新規分野の顧客や新たな事業範囲の開拓に取り組んでいる。またオウンドメディアの運営を行いデジタルマーケティングを行っている。営業部門にはマーケ課も新設し、以前は外注制作していたWebページも内製化した。さらに各所で開催される展示会にも積極的に参加している。そうした施策が功を奏してか、Webサイトの閲覧数や引き合い件数も右肩上がりで増加中だ。

 海外拠点としては、インドネシアのK.M.I(キョーラク株式会社との合弁で2003年に設立)と、MS-MOLD(2022年に子会社化)がある。そこでは自動車や家電関係のブロー成形金型、射出成形金型、治具製作などに取り組んでいる。今後はインドネシアだけではなく、欧米へも販売を広めていきたいという。

 さらに同社では新しい材料への取り組みも始まっている。大吟醸を作るときに発生する米カスや、ビールの麦芽カスを活用したバイオプラスチックの成形などにもチャレンジしている。

 今後について渡邉氏は、「今後は経営をより安定化させることで研究開発費を捻出し、新しいビジネスを立ち上げていきたい」と意気込んだ。

掲載会社情報

株式会社関東製作所

株式会社関東製作所

所在地
〒135-0004 東京都江東区森下5-18-13
TEL
03-3631-6034
FAX
03-3632-7440

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