業界特集
株式会社ケディカ(宮城県仙台市)
掲載企業株式会社ケディカ
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主要3品目
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鉛フリーめっき 6価クロムフリーめっき 無電解ニッケルめっき
自動車関連部品へのめっき/カチオン電着塗装
電気・電子部品・半導体へのめっき
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従業員数
170 人
表面処理メーカーは、売り上げや納期、仕様などどうしても自社だけでは完結できず、他社の影響が大きいというジレンマを抱えている。そこで株式会社ケディカは自身が持つ表面処理技術を生かした自社ブランドの確立を目指している。めっきなどの表面処理を行うためには必ず前処理が必要になる。その洗浄の知見や技術、経験を生かして東北大学や同大学病院とともに医療・歯科器具の洗浄剤を共同開発し、製造販売している。洗浄剤だけでなく、歯科用磁気アタッチメントの製造も行っている。さらに表面処理に関しては工業技術センターにも劣らぬ検査・分析設備を持ち、大学や行政からの解析依頼も請け負う。作業環境測定事業として他社の工場などの作業環境の判定を行っているが、これも表面処理メーカーは環境への対策が不可欠という長年の経験を生かしたものだ。さまざまな事業を展開しているその中心にはもちろん、表面処理技術がある。
代表取締役の三浦智成氏は「水や空気以外のものには何でも表面処理をする」と自信を見せる。表面処理メーカーとして不得意を作らず、多種多様な表面処理を行うことができるのも同社の強みだ。実際に同社にはさまざまな案件が持ち込まれるが、「難しいお問い合わせも何が新しい事業につながるか分からない。新規案件専門の部署があり、視野を広げて応用力を養います。表面処理でお困りのことであれば何でも請け負います」と言う。
製造分野は電子機器関連、自動車、半導体、さらに建築から医療関連まで広く行っており、数ミクロンと小さなものから最大3メートル程度までのさまざまな大きさ、種類のめっきや表面処理加工に対応している。海外拠点としてはフィリピンに自社工場があり、フィリピンでも日本と同様、「表面処理に関しては何でも請け負う」という姿勢を貫く。顧客は日系メーカーだけでなく、アメリカや欧州などグローバルな展開を目指している。コロナ禍で注目を集めた抗菌性能を持つめっきなど、時代のニーズに沿った付加価値を付与する技術開発にも余念がない。めっきなどの技術は自動化が難しいが、DX化、IoTにも意欲的だ。作業員にとって重労働や負担の大きな作業はなるべく自動化しつつ、大事な部分は変わらず人の手、人の目を大事にする。人材育成の観点からも、そのバランスを大事にしている。
同社は地域発展の貢献も目指している。街の美化活動やめっきを使った特産品の開発だけでなく、めっきを使った理科の出張授業は地元の小学生たちにも大好評だ。表面処理の技術は、さらに新しい価値を生み出していく。
葉っぱやクルミなど、変わったものにめっきを施すことも