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フィルムヒーター専門の開発・製造メーカー  CNTフィルムヒーターを3次元形状に成形 

フィルムヒーター専門の開発・製造メーカー  CNTフィルムヒーターを3次元形状に成形 

ヒートラボ株式会社

掲載企業ヒートラボ株式会社

主要3品目
  • アルミ箔フィルムヒーター

  • 透明フィルムヒーター

  • ファブリックヒーター

次世代ヒーターデバイス、フィルムヒーターに特化 

 ヒートラボ株式会社は、静岡県藤枝市にオフィスを置き、フィルムヒーターの開発・製造を行っている。同社はもともとシルクスクリーン印刷技術やエッチング加工技術を持ち、FPC(フレキシブル基板)の試作などを行っていた。ヒーターデバイスの開発に特化することとなった経緯について、代表取締役 本間 達也氏は語る。「自社製品を持ちたいと考えたときに、他社がやっていない分野を模索しました。温める・加熱するという行為はどの業界でも行われている。自社の設備や技術、ノウハウを生かし、ニッチでもヒーターに需要はあると考えた」と言う。 

 フィルムヒーターとは、従来のニクロム線ヒーターなどとは異なり、面状でムラなく温めることができるヒーターだ。薄くて軽く、柔軟性があるため仕様の自由度が高い。製品にもよるが、薄さは0.1mm、最小サイズは4mmほどの実績を持つ。温度は通常製品で100℃ほど、高温タイプであれば200℃程度まで対応。両面テープなどで貼り付けることができるため、取り扱いも簡単だ。 

CNTフィルムヒーターなど新素材開発にも注力 
多彩なラインナップで熱課題解消を提案 

 主要製品であるアルミ箔フィルムヒーターは、宅配ピザ用の保温バッグなど食品加工や保温、さらに自動運転搬送ロボットに使われるセンサーの結露防止にも利用されている。発熱エリアの透過性に優れた透明フィルムヒーターは、食品製造工場内の装置覗き窓の結露防止や、寒冷地の屋外監視カメラハウジング窓の着雪対策など、主に結露防止・防曇・着雪対策で使用されている。唯一フィルム状ではないメッシュ形状のファブリックヒーターは通気性を持つだけでなくインサート成形にも対応するなど、用途や使用箇所、形状などによってさまざまなデバイスを用意している。 

 次世代素材として注目されているCNT(カーボンナノチューブ)を使用したCNTフィルムヒーターは、発熱面全面を均一に発熱させることが可能で、遠赤外線効果にも優れる。「新素材を使って何かできないかと材料メーカーと開発したのが、成形できるフィルムヒーターです」と本間氏。元々CNTフィルムヒーターは平面しか追従できなかったが、三次元形状に成形したいという顧客のニーズに対応し、真空・圧空成形に追従できるフィルムヒーターを開発した。これにより、意図した形状にフィルムを追従させることが可能となり、更なる用途拡大が期待されている。こうした新技術開発には、同社が持つ立体配線技術や面状ヒーター設計の経験やノウハウが生かされているのだ。 

フィルムヒーターの認知拡大を目指す 

 フィルムヒーター自体はまだまだ認知度が低く、課題は用途開発だ。現在引き合いが増えているのは、細胞培養などに用いられる実験研究機器であるインキュベーター用ヒーターだという。熱ムラがなく均一な温度分布が期待でき、更に視認性が高い透明フィルムヒーターはまさに適任というわけだ。同社には具体的な悩みや課題を持つ顧客からの問い合わせが寄せられる。そうした顧客に対し、同社ではどのようなヒーターを用いるのが適切なのか、どうすれば解決できるのかといった提案を行っている。まだ知られていない技術だからこそ、ニーズは製造現場や研究現場だけでなく、身近なところにも潜んでいる可能性が秘められているのだ。今ある熱課題を解決するソリューションはフィルムヒーターかもしれない。 

3D対応Cuめっきヒーター 

製品情報

  • アルミ箔フィルムヒーター

  • 透明フィルムヒーター

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