業界特集
株式会社エクストエンジニア(福島県田村市)
掲載企業株式会社エクストエンジニア
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主要3品目
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CNC自動旋盤
NC複合旋盤加工
5軸
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従業員数
120人
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年間売上高
- 13億円
「スピード第一です。見積の解答もすぐに返すようにしています。エクストエンジニアに任せておけば大丈夫、そう言ってもらえるような会社になっていきたい」と話すのは、株式会社エクストエンジニア取締役専務の渡邉輝長氏だ。日本の製造業の状況は厳しい。町工場の数はどんどん減っている。しかしお客様は必ずいる。どうすれば役に立てるかを考え続けている。
株式会社エクストエンジニアはもともとダイカストの鋳造や加工を行い、二輪車の部品などを製造していたが、家電関係の受注が増えるにつれて、精密機械加工へ転換した。現在は半導体関連を中心に、建設機械、工場のライン設備などのFA部品、医療関係などはば幅広い業種の量産品を製造している。設備を豊富に取り揃え、多様なサイズ・加工方法だけでなく短納期小ロット生産に対応。自社でできることを増やすことで、見積回答のスピードアップやコストダウン、納期短縮につなげているのだ。2018年には製缶板金を行っている和興エンジニアリングをM&Aし、更なる事業展開を見込んでいる。これまで受けられなかった板金関係の仕事も一式まるごと受注していきたい考えだ。外注の割合を減らすことで、トラブルが起きた際にも素早く対応でき、責任の所在も明確になる。「顧客に対して、良い印象持ってもらうことを非常に大事に思っています」と輝長氏は語る。顧客の負担を軽減し、頼られる会社を目指している。
2014年、同社はベトナムに工場を建設した。当初は日本からの仕事がほぼ100%だったが、現在では現地の日系企業を中心に受注を増やしている。本社からの受注を50%にすることを目標に外部受注を拡大中だ。代表取締役社長の渡邉兵吾氏は「ベトナムにいる日系メーカーも中国経済の影響を強く受けています。購買拠点を中国からベトナムへ移すという動きも出てきているので、これからまだまだ伸びていくと感じます」と、今後さらにベトナムの重要性が増すと読んでいる。ようやくコロナ禍も開け、これからますます注目度が上がっていく見込みだ。
輝長氏が「受注よりも人」と言い切るように、現在はリクルート、さらに従業員の福利厚生にも力を入れている。2021年に同社が立ち上げたオリジナルブランド「E.W」はキャンプ用品を中心とした商品展開をしている。「自分たちで作ったものが商品化されて売り場で売られているという喜びを知ってほしい」と話す通り、知名度の向上だけでなく、社員たちのモチベーションアップの意味合いも大きいのだ。お客様も従業員も大事に。そんな同社の誠実な姿勢が垣間見える。