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ミクロンレベルの微細加工!超精密金型、マイクロニードルの先駆者

ミクロンレベルの微細加工!超精密金型、マイクロニードルの先駆者

有限会社米山金型製作所(長野県下伊那郡)

掲載企業有限会社米山金型製作所

主要3品目
  • マイクロニードルマスター型

  • マイクロ流路金型部品

  • 精密プラスチック金型及び金型部品

従業員数

26 人

年間売上高
3.9 億円

 きっかけは、セミナーだった――。有限会社米山金型製作所では、時代に先んじて自動化、3D化、ワークチェンジャーの導入など、新しい技術を積極的に取り入れていた。しかし初代社長が亡くなり、何か新しいことを始めなければと考えていた現代表取締役の村松善太郎氏が出会ったのは、松岡技術研究所の松岡甫篁氏が提唱する超精密・微細切削加工技術だった。

 2006年、碌々産業の高精度高速微細加工機MEGAを導入すると、焼入れ材直彫り加工を開始。従来、金型は切削のあとに焼き入れ工程を行うがこれでは精度が出ない。切削加工技術が向上し、焼入れ材に直接切削加工ができるようになったことで、金型精度は飛躍的に向上した。そして2013年、碌々産業の超高精度高速微細加工機Androidを導入し、微細加工分野に本格参入した。村松氏は金型に精密・微細という付加価値をつけたのだ。初めから勝算や取引先の目途があったわけではない。展示会に積極的に参加してアピールし、自ら新規取引先の開拓をしていったという。

 ミクロンレベルの微細加工を可能にするために重要なのは、温度と振動を管理することだ。そのため工場は細かく区切られ、室温管理を厳密に行っている。こうした同社の徹底した管理体制や技術力が評価され、マイクロニードルの試作開発パートナーに選ばれたのだ。現在同社ではマイクロニードルの試作加工実績は日本一を誇り、多くの試作案件をこなしているだけでなく、美容系の量産金型の製造も行っている。

 同社では量産成形は行っていない。しかし精密成形においてネックとなるのは量産成形へ移行する際の調整だ。そこで同社では「微細成形Lab」を開始した。微細成形Labとは、同社が持つ金型調整技術、精密部品を離型するノウハウ、ヒート&クール成形など特殊成形技術を用いて、スムーズな量産移行までをサポートするサービスだ。同社が試作やトライ成形を行うことで、開発スケジュールの短縮やコストの削減にもつながる。

 金型開発は他業種にとってコスト感覚がつかみにくいこともあり、同社ではWEBサイトに試作費用の目安まで載せていることも特徴だ。そしてこの微細成形Labは意外な客先を開拓した。精密成形用の材料の開発・販売を行う大手材料メーカーから、展示会などで使用するためのサンプル作成の声がかかったのだ。同社には試作用の金型が取り揃えられており、材料メーカーはサンプル用の金型を新規に作成する必要がなくコストメリットが大きい。材料メーカーとつながったことでまた新しい取引先を紹介されることもあるという。

 村松氏は語る。「展示会で認知が広がったことで、『 近 隣にこんな技 術を持った会社があったのか』と後になって地元の工場とも繋がりました。まずは行動を起こして、新しいことに歩み寄っていくことです」。米山金型製作所は、日々新たな微細加工技術に挑戦している。

代表取締役 村松善太郎氏

製品情報

  • 微細成形支援 高精度金型 微細加工 試作 修正・再トライまで最短2時間

  • 微細V溝加工 微細加工 試作 ヘール加工  Ni-Pめっき

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